メモリーカードに関する不具合

初期型のSCPH-10000発売後、PS2専用メモリーカードのデータが壊れる不具合の報告が相次いだ。SCEはPS2専用メモリーカードの不具合と発表し、無償交換に応じることとなった。その後発売されたSCPH-15000では、メモリーカードのリセット回路が改良されており、この問題は解決したかのように思えた。

しかし、SCPH-10000及び15000において、旧世代機のプレイステーション(以下PS1)のメモリーカードのデータが壊れる不具合が発覚した。今までPS1においてメモリーカードのデータが消えてしまう不具合は報告されていなかった。このことから、SCPH-10000及び15000の本体に何らかの問題があると考えるのが妥当であったが、SCEはこの不具合もPS1専用メモリーカードの一部の不具合と発表して無償交換に応じた。SCEはこの不具合を回避するには、「電源投入前にメモリーカードを本体から外し、電源投入後にメモリーカードを本体に刺せば不具合が発生しない」とした。SCPH-15000の一部やPS one Booksには、その注意書きが同梱された(ただしPS one Booksには壊れるという記述はなく、回避方法が書かれているのみであり、壊れるまで回避方法の重要さに気付かなかったユーザーもいた)。

ところが、SCPH-18000になるとその注意書きは同梱されなくなり、PS1専用メモリーカードの不具合も発生しなくなった。本体に何らかの改良がされたと見るべきであろう。おそらくは、本体がメモリーカードに供給する直流電源の立ち上がりタイミングをPS1と同様に調整したものと考えられる。リセット回路は、直流電源の立ち上がりタイミングがリセット回路の想定の範囲外であるとき、誤動作するからである。